バルトレックスの概要
- バルトレックスの特徴
- 有効成分バラシクロビルが体内でアシクロビルに変換され、ウイルスのDNA合成を阻害する
- 単純疱疹、帯状疱疹、水痘など、ヘルペスウイルスが原因の感染症に効果を示す
- 臨床試験ではヘルペスに対して95.9%の有用性が示されている
| 商品名 |
バルトレックス 500mg(Valtrex 500mg) |
バルトレックス 1000mg(Valtrex 1000mg) |
| 内容量 |
1箱10錠(500mg×10錠×1シート) |
1箱21錠(1000mg×7錠×3シート) |
| 有効成分 |
バラシクロビル(Valaciclovir(Valacyclovir)) |
| 医薬品分類 |
先発医薬品
|
| 薬効分類 |
抗ウイルス化学療法剤 |
| 適応症 |
単純疱疹(単純ヘルペスウイルス感染症) 帯状疱疹 水痘 性器ヘルペスの再発抑制 |
| 対象者 |
男性・女性 |
| 製薬会社 |
グラクソ・スミスクライン(GSK plc.) |
| 商品区分 |
医薬品 |
| 到着の目安 |
入金確認後7日~14日前後で到着 |
| 到着の目安 |
入金確認後7日~14日前後で到着 |
バルトレックスの現物サイズ
|
箱正面 |
シート正面 |
錠剤正面 |
| 長辺 |
129.6mm |
125.2mm |
18.6mm |
| 短辺 |
60.3mm |
55.1mm |
7.4mm |
| 厚み |
18.9mm |
6.3mm |
5.8mm |
| 重量 |
20g |
9.87g |
0.73g |
|
箱正面 |
シート正面 |
錠剤正面 |
| 長辺 |
129.8mm |
125.1mm |
23.4mm |
| 短辺 |
59.9mm |
55.1mm |
9.7mm |
| 厚み |
33.1mm |
7.8mm |
7.4mm |
| 重量 |
49.76g |
12.57g |
1.42g |
※当サイトのスタッフが現物を測定した数値であり、商品ごとに若干の差異があるため、おおよその目安として予めご了承ください。
| 包装タイプ |
PTP包装シート |
| 剤形タイプ |
フィルムコーティング錠 |
バルトレックスの飲み方(服用方法)
バルトレックスは、感染症の種類や症状の程度によって服用量や期間が異なります。
下記の用法用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
単純疱疹(性器・口唇ヘルペス)の治療
| 1回の服用量 | 500mg錠:1錠 1000mg錠:1/2錠 バラシクロビルとして500mg |
|---|
| 1日の服用回数 | ・治療目的:1日2回 ・再発予防:1日1回 |
|---|
| 服用期間 | ・治療目的:5日間 ・再発予防:最低3か月以上 |
|---|
| 服用間隔 | おおよそ12時間ごとに服用 |
|---|
性器・口唇ヘルペスの治療には、1回500mgのバルトレックス錠を1日2回(朝・晩)服用します。
バルトレックス500mg錠は、1錠で1回分の有効成分バラシクロビル500mgを含んでおり、非常に使いやすい設計です。
服用間隔は12時間あけるようにしてください。
治療期間の目安は5日間です。
1箱にちょうど5日分(1日2錠×5日=10錠)が含まれており、通常は1箱を使い切ることで治療が完了します。
帯状疱疹の治療
| 1回の服用量 | 500mg錠:2錠 1000mg錠:1錠 バラシクロビルとして1000mg |
|---|
| 1日の服用回数 | 1日3回(朝・昼・晩) |
|---|
| 服用期間 | 7日間 |
|---|
帯状疱疹の治療には、1回1000mgを1日3回(朝・昼・晩)服用します。
1000mg錠であれば、1回1錠の内服で必要な量を摂取できます。
服用の間隔は、8時間以上あけるようにしてください。
バルトレックス1000mg錠には、帯状疱疹の治療に必要な有効成分が1錠に含まれており、1箱に21錠(7日分)が入っています。症状が改善しても、服用は中断せず、必ず7日間分すべてを飲み切ってください。
服用を開始するタイミングは、最初の皮疹が出現してから3日以内が理想です。遅くとも5日以内には服用を始めましょう。服薬が遅れると、症状が悪化したり、帯状疱疹後神経痛(PHN)に進行するリスクが高まります。
7日間服用しても改善が見られない場合は、他の治療への切り替えが必要です。
水ぼうそうの治療
| 1回の服用量 | 500mg錠:2錠 1000mg錠:1錠 バラシクロビルとして1000mg |
|---|
| 1日の服用回数 | 1日3回(朝・昼・晩) |
|---|
| 服用期間 | 5~7日間 |
|---|
水ぼうそうの治療には、1回1000mgを1日3回(朝・昼・晩)服用します。
1000mg錠であれば、1回1錠の内服で必要な量を摂取できます。
服用の間隔は、8時間以上あけるようにしてください。
服用期間は基本的に5日間ですが、症状に応じて最大7日間まで延長されることがあります。
できるだけ皮疹が現れてから2日以内に服用を開始するのが望ましく、これにより治癒までの期間を短縮できます。
5~7日間の服用でも改善が見られない、または症状が悪化する場合は、別の治療法を検討してください。
早期の服用が効果的
バルトレックスの効果を最大限に引き出すためには、できるだけ早く服用を開始することが大切です。
特に、ウイルスの増殖が盛んな発症初期に飲み始めることで、ウイルスの増殖を強力に抑えることができます。
再発性ヘルペスでは、発症から6時間以内、遅くとも24時間以内に服用を開始することで、症状の悪化を防ぎやすくなります。
性器や口唇にムズムズ感、かゆみ、チクチクとした違和感などの前兆を感じたら、ヘルペス発症のサインです。
これらの兆候が出た時点でバルトレックスを服用することで、発症を抑えたり、症状を軽く済ませることができる場合があります。
パートナーへの感染予防に関する注意
バルトレックスの投与により、性器ヘルペスのセックスパートナーへの感染リスクを抑制する効果があることが報告されています。
しかしながら、治療中であっても完全に感染を防ぐことはできないため、感染予防策としてコンドームの使用など、適切な対策を講じることが推奨されます。
食事による影響
外国人を対象としたデータによると、食事の影響でアシクロビルの血中濃度が最高に達するまでの時間はわずかに遅れましたが、血中濃度の総量(AUC)には有意な変化は見られませんでした。
アルコール(お酒)による影響
バルトレックスの服用中は、飲酒を控えることが推奨されます。
バルトレックスとアルコールが直接的に相互作用を起こすわけではないため、飲酒が禁じられているわけではありません。
しかし、アルコールには血管を拡張させる作用があり、皮膚の炎症反応を強めてしまう可能性があります。
これによりヘルペスの治りが遅れるおそれがあるため、服用期間中の飲酒は避けるのが無難です。
飲み忘れた場合
バルトレックスを飲み忘れた場合は、気付いた時点で1回分をすぐに服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして通常の時間に1回分を服用してください。
絶対に2回分を一度にまとめて服用しないよう注意してください。
服用間隔は、ヘルペスでは12時間、帯状疱疹では8時間を空けるよう守ってください。
バルトレックスの効果効能
- 適応症
- 帯状疱疹
- 性器ヘルペスおよび口唇ヘルペス
- 単純疱疹の発症抑制(造血幹細胞移植後を含む)
- 水痘(水ぼうそう)
- 性器ヘルペスの再発抑制
バルトレックスは、抗ヘルペスウイルス薬に分類される抗ウイルス剤で、ヘルペスウイルスによって引き起こされるさまざまな感染症の治療に使用されます。
主に、単純疱疹、帯状疱疹、性器ヘルペス、水ぼうそうなどの疾患に対して効果を発揮します。
従来品よりも服用回数が少なくて済む
これまで使用されてきたヘルペスウイルス感染症の治療薬には、1日に何度も服用しなければならないという負担がありました。
バルトレックスはその課題を解消するために、従来薬を改良して開発された治療薬です。
バルトレックスなら、治療効果はそのままに服用回数の多さという大きな問題が大きく改善されました。
従来の薬が1日5回の服用を必要としていたのに対し、バルトレックスは1日2回の服用で治療が可能です。
バルトレックスは、従来薬であるゾビラックスに比べて吸収効率が大きく向上しており、その結果、服用回数を半分以下に減らすことが可能になりました。
バルトレックスの有効成分であるバラシクロビルは、体内で代謝されることでゾビラックスの主成分であるアシクロビルに変換されるように設計されています。
この代謝プロセスにより、アシクロビルが分解されずに効率よく吸収されるため、より少ない服用回数で同等の治療効果を得ることができます。
このように、バルトレックスは服用回数を半分以下に抑えながらも、ヘルペス治療に必要な効果をしっかりと発揮できる薬として高く評価されています。
服薬のわずらわしさを軽減した抗ヘルペスウイルス薬として、現在では第一選択薬のひとつとなっています。
95.9%という高い有効性でヘルペスを治療
バルトレックスは、ヘルペスウイルスの増殖を抑える作用により、症状の進行や炎症の拡大を防ぎ、治癒までの期間を短縮する効果があります。
日本性感染症学会の報告によれば、通常2~3週間かかるとされる急性型ヘルペスの病期が、治療薬の服用によって最短1週間で治癒するケースもあるとされています。
臨床試験による有効性の実証
日本国内での承認時に行われた臨床試験では、147名の患者に対してバルトレックスを1日2回(1回500mg)投与したところ、141名(95.9%)に病期の短縮など明確な有効性が確認されました。
この結果から、バルトレックスはヘルペス治療において非常に高い有効性を持つ治療薬として位置付けられています。
毎日服用で性器ヘルペスの再発を60~70%抑制
頻繁に再発を繰り返す性器ヘルペスに対しては、バルトレックスを毎日継続して服用することで、再発を効果的に予防できます。日本国内において、再発抑制療法として正式に承認されているのは、バルトレックスによる治療のみです。
この治療の効果は、年間8回以上の再発を経験している性器ヘルペス患者を対象に実施された、4か月(16週間)の臨床試験によって実証されています。
臨床試験の結果
試験では、対象者を以下の2グループに分け、再発を経験しなかった割合(未再発率)を比較しました。
臨床試験
| グループ |
未再発率 |
人数(割合) |
| バルトレックス投与群 |
69% |
199/288例 |
| プラセボ(偽薬)投与群 |
9.5% |
9/94例 |
この結果から、バルトレックスの再発抑制効果は非常に高く、プラセボとの間に明確な有意差が確認されました。
服薬終了後の再発リスクも軽減
バルトレックスによる再発抑制療法は、服薬中だけでなく、治療終了後もヘルペスの再発頻度を低下させる可能性があるとされています。
再発を繰り返す原因のひとつは、ウイルスが末梢の神経細胞に潜伏していることにあります。
神経細胞には寿命があるため、バルトレックスを服用している間に寿命を迎えた細胞とともに、ウイルスの数も減少する可能性があると考えられています。
帯状疱疹や水ぼうそうにもバルトレックスは有効
バルトレックスは、抗ヘルペスウイルス薬としての作用により、帯状疱疹や水ぼうそうの治療にも高い効果を発揮します。
これらの疾患に対する有効性は、販売後に実施された使用成績調査によって裏付けられています。
帯状疱疹・単純疱疹に対する使用成績調査
臨床試験
| 対象疾患 |
症例数 |
改善数 |
改善率 |
| 帯状疱疹 |
2,891例 |
2,826例 |
97.75% |
| 単純疱疹 |
867例 |
859例 |
99.08% |
また、安全性(副作用に関する評価)の面では下記のようになっています。
臨床試験
| 評価対象 |
症例数 |
副作用発現数 |
副作用発現率 |
| 使用成績調査 |
4,286例 |
48例 |
1.12% |
| 承認時の調査 |
742例 |
138例 |
18.60% |
水ぼうそうに対する使用成績調査
臨床試験
| 評価項目 |
症例数 |
結果 |
| 安全性(副作用発現率) |
369例 |
0.8%(3例) |
| 有効性(改善率) |
349例 |
99.4%(347例) |
このように、バルトレックスは実臨床においても高い有効性と良好な安全性を示しており、帯状疱疹や単純疱疹、水ぼうそうの治療において信頼性の高い薬剤であることが確認されています。
治癒期間の短縮と痛みの軽減効果
通常、帯状疱疹や水ぼうそうの治癒には約3週間かかるとされていますが、バルトレックスを使用することで、7~10日程度での改善が可能とされています。
また、バルトレックスはウイルスによる神経の炎症を抑える作用があるため、痛みの軽減にも効果があります。
特に帯状疱疹では、服用を早期に開始することで、後遺症として知られる帯状疱疹後神経痛の予防にもつながります。
作用機序(仕組み)
バルトレックスの有効成分バラシクロビルは、抗ウイルス薬アシクロビルのL-バリルエステル化合物です。
経口投与後、体内で主に肝臓の初回通過代謝によりアシクロビルへと変換され、抗ウイルス作用を発揮します。
アシクロビルの活性化と抗ウイルス作用
アシクロビルは、単純ヘルペスウイルス(HSV)や水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に感染した細胞に取り込まれると、ウイルス由来のチミジンキナーゼによってまず一リン酸化されます。
次に、宿主細胞内のキナーゼの働きによって三リン酸型(アシクロビル三リン酸:ACV-TP)へと変換されます。
ACV-TPは、ウイルスDNAポリメラーゼの正常基質であるdGTP(デオキシグアノシン三リン酸)と競合して取り込まれ、ウイルスDNAの3’末端に結合します。
その結果、DNA鎖の伸長が停止し、ウイルスDNAの複製が阻害されます。
選択的な作用と安全性
アシクロビルの初期リン酸化はウイルスに感染した細胞にのみ存在するチミジンキナーゼによって行われるため、ウイルスに感染していない正常な細胞では活性化されにくく、副作用や細胞への影響が少ないと考えられています。
単純ヘルペスウイルスに対する作用
バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、単純ヘルペスウイルス1型および2型の増殖をin vitroで有意に抑制することが確認されています。
臨床試験
| ウイルス型 |
IC50(半最大阻害濃度) |
| 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1) |
0.01~1.25 µg/mL |
| 単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2) |
0.01~3.20 µg/mL |
マウスにおけるin vivo効果
また、単純ヘルペスウイルス1型を鼻部に接種したマウスを用いた実験では、バラシクロビル1mg/mLを飲水に溶解し、4日間経口投与したところ、皮膚病変の悪化が抑制される効果が認められました。
このような結果から、バラシクロビルは単純ヘルペスウイルスに対する治療薬として、試験管内(in vitro)および生体内(in vivo)の両面で高い有効性を示すことが確認されています。
水痘・帯状疱疹ウイルスに対するバラシクロビルの作用
バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)のin vitro試験において、ウイルスの増殖を抑制する効果が確認されています。
臨床試験
| 対象ウイルス |
IC50(半最大阻害濃度) |
| 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV) |
0.17~7.76 µg/mL |
in vivo(サル)での抑制効果
さらに、サル水痘ウイルスを気道に接種したサルに対して、バラシクロビルを1日3回に分けて、1日あたり200mg/kgおよび400mg/kgの用量で10日間連続して経口投与したところ、以下のような効果が認められました。
- 皮疹の発現が抑制された
- 血中のウイルス量(ウイルス価)が減少した
これらの結果は、バラシクロビルが水痘および帯状疱疹に対して、細胞レベルおよび動物モデルの両面において有効であることを示しています。
バルトレックスの副作用
バルトレックスは、副作用の出やすい医薬品ではありませんが、副作用がいくつか確認されています。
主な副作用は、肝機能検査値の上昇、腹痛、下痢、頭痛、腎障害などの症状とされています。
副作用は一時的であり、軽度な症状がほとんどです。
通常、バルトレックスの服用期間中に現れることがありますが、服用を中止すると症状は現れなくなります。
他にも服用後に下記の副作用が現れることがあります。
バルトレックスの副作用
| 部位 |
0.5%以上 |
0.5%未満 |
頻度不明 |
| 過敏症 |
|
|
発疹、蕁麻疹、掻痒、光線過敏症 |
| 肝臓 |
肝機能検査値の上昇 |
|
|
| 消化器 |
腹痛、下痢、腹部不快感、嘔気 |
嘔吐 |
|
| 精神神経系 |
頭痛 |
めまい |
意識低下 |
| 腎臓・泌尿器 |
腎障害 |
排尿困難 |
尿閉 |
重大な副作用
重大な副作用が現れる可能性があります。
下記の症状が現れた場合は、すぐに服用を中止してください。
- バルトレックスの重大な副作用
- アナフィラキシーショック(頻度不明)
- アナフィラキシー(頻度不明)
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)
- 血小板減少性紫斑病(頻度不明)
- 尿細管間質性腎炎(頻度不明)
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 呼吸抑制(頻度不明)
- 無呼吸(頻度不明)
- 間質性肺炎(頻度不明)
- 肝炎(頻度不明)
- 肝機能障害(頻度不明)
- 黄疸(頻度不明)
- 急性膵炎(頻度不明)
- 汎血球減少(0.73%)
- 無顆粒球症(0.24%)
- 血小板減少(0.36%)
- 急性腎障害(0.12%)
- 精神神経症状(1.09%)
バルトレックスの禁忌
バルトレックスには禁忌(服用してはいけない方)が指定されています。
下記に該当する方はバルトレックスを服用できません。
バルトレックスの服用に注意が必要な方
バルトレックスには禁忌ではありませんが、服用に注意が必要な方が指定されています。
下記に該当する方は、バルトレックスを服用する前に医師に相談してください。
- バルトレックスの服用に注意が必要な方
- 免疫機能の低下した方
- 脱水症状をおこしやすいと考えられる方(腎障害または腎機能が低下している方、高齢者、水痘患者等)
- 腎機能障害患者
- 腎障害のある方、腎機能が低下している方
- 肝障害のある方
- 妊婦(妊娠している可能性のある女性を含む)
- 授乳婦
- 小児等
- 高齢者
バルトレックスの併用禁忌薬
バルトレックスには併用禁忌薬(併用して服用してはいけない医薬品)が指定されていません。
バルトレックスの併用注意薬
バルトレックスには併用禁忌薬ではありませんが、併用注意薬(併用に注意が必要な医薬品)が指定されています。
バルトレックスと併用すると効果が減弱したり、副作用が増強するなど体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
併用して服用する場合は、注意しながら服用するか、そもそも併用自体を避けることが望ましいでしょう。
下記に該当する医薬品を服用している場合は、バルトレックスを服用する前に医師に相談してください。
バルトレックスの併用注意薬
| 薬剤名 |
臨床症状・措置方法 |
機序・危険因子 |
| プロベネシド |
バルトレックスの活性代謝物であるアシクロビルの排泄が抑制され、血漿中濃度曲線下面積(AUC)が約48%増加するとの報告があります。特に腎機能が低下している可能性のある患者(高齢者など)には慎重な投与が求められます。 |
プロベネシドは、尿細管分泌に関与するOAT1およびMATE1を阻害することで、アシクロビルの腎排泄を抑制すると考えられています。 |
| シメチジン |
アシクロビルの排泄を抑制し、血漿中AUCが約27%増加すると報告されています。腎機能が低下している可能性のある患者(特に高齢者など)には注意が必要です。 |
シメチジンは、尿細管分泌を担うOAT1、MATE1、MATE2-Kを阻害するため、アシクロビルの腎排泄が妨げられると考えられます。 |
| ミコフェノール酸モフェチル |
アシクロビルとの併用により、両薬剤の代謝物の排泄が抑制され、それぞれのAUCが上昇するとの報告があります。腎機能が低下している患者(高齢者など)には慎重に使用してください。 |
アシクロビルとミコフェノール酸モフェチルの代謝物が、尿細管分泌において競合することが影響していると考えられます。 |
バルトレックスの基本的な注意事項
バルトレックスを各・効能効果に定められた用法用量で使用した場合でも、アシクロビル単独の経口製剤と比べてアシクロビルの体内曝露量(AUC)が高くなることがあります。
そのため、投与中は副作用の発現に十分注意してください。
バルトレックスの使用により、意識障害などの中枢神経系の症状があらわれることがあります。
自動車の運転や高所作業、その他危険を伴う機械の操作に従事する場合には、あらかじめ患者に対して注意を促す必要があります。
特に腎機能障害のある患者では、意識障害などの副作用が出やすくなる傾向があるため、患者の状態に応じて、そのような作業への従事を控えるよう指導してください。
水ぼうそう治療時の投与判断
水痘(水ぼうそう)の治療においては、バルトレックスの使用経験がまだ十分ではありません。
そのため、投与にあたっては治療上の有益性とリスクを慎重に判断したうえで使用を検討する必要があります。
バルトレックスの保管方法
バルトレックスは、光や温度、湿度などによって効果が損なわれる場合があります。
下記の要項を守って保管してください。
- バルトレックスの保管方法
- 高温多湿にならない場所に保管してください
- 直射日光が当たらない場所に保管してください
- 子供やペットの手の届かない場所に保管してください
- なるべく鍵のかかる場所に保管してください
- 別の容器や包装に移し替えず、元の容器や包装に保管してください
- 容器のふたや栓はしっかり閉めて保管してください
- 乾燥剤が入っていた場合、開封後もそのままの状態で保管してください
- 使用期限が分かる状態で保管してください
- 使用期限を過ぎた場合、使用せずに破棄してください
- 冷蔵庫や冷凍庫、台所、浴室、玄関、ベランダ、窓際、車内、冷暖房器具の近くで保管しないでください
- 錠剤を分割した状態で長期間保管しないでください
バルトレックスに限らず、多くの医薬品は光(紫外線)によって成分が変化したり、分解されてしまいます。
効果が期待できなくなったり、体に有害な影響を与える可能性があるのです。
そのため、光を遮断できる場所や容器に保管することが最も大切とされています。
原則として30℃を超える様な高温の場所も適していません。
冷暗所が保管場所として最適
直射日光が当たらない(暗い)、湿気が少ない(乾燥している)、風通しが良い(涼しい)、いわゆる「冷暗所」で保管するのが理想的です。
一般的な家の中だと廊下や玄関、リビング、寝室などにある「収納スペース」がおすすめです。
クローゼットや押し入れ、キャビネットなどでも良いでしょう。
- 廊下や玄関の収納スペース
- 廊下や玄関は日光が入りにくく、風通しが良いため、温度や湿度が比較的一定に保たれやすい傾向があります。
収納スペースがあるなら冷暗所として適しています。
- リビングの収納スペース
- リビングにはエアコンが付いていることが多いため、温度や湿度が比較的一定に保たれやすい傾向があります。
直射日光が当たらない棚などの収納スペースで保管すると良いでしょう。
- 寝室のクローゼットや押し入れの中
- 比較的温度の変化が少なく、直射日光が当たらないため、クローゼットや押し入れは冷暗所として理想的です。
除湿剤などを設置し、湿度が低めになるようにすると良いでしょう。
- 棚やキャビネットの引き出しの中
- 棚やキャビネットの引き出しの中に保管することで、湿気や直射日光の影響を最小限に抑えられます。
温度も一定に保たれやすいのでおすすめです。
バルトレックスの臨床成績(有効性および安全性に関する試験)
有効性および安全性に関する試験
- 単純疱疹
- 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
- 帯状疱疹
- 国内第Ⅱ相試験
- 国内第Ⅲ相試験
- 海外臨床試験
- 製造販売後調査等
- 水痘
- 性器ヘルペスの再発抑制
単純疱疹:国内第Ⅱ相試験
本試験は、成人単純疱疹患者を対象に全国56施設で実施され、計152例が登録されました。目的は、バルトレックスの適切な用量および安全性・有効性を評価することです。
有効性の評価
バルトレックスを1回500mg、1日2回、5日間投与した群(40例)において、以下の有効性が確認されました。
安全性(副作用の発現状況)
安全性解析の対象となった症例は131例であり、副作用の発現状況は次の通りです。
| 安全性解析対象症例数 |
副作用の発現症例数(件数) |
主な副作用の種類(発現件数) |
| 131例 |
21例(27件) |
ALT上昇(4件)、頭痛(2件)、眠気(2件)、白血球減少[血液](2件)、好酸球増多(2件)、AST上昇(2件)、尿蛋白(2件) |
これらの結果から、バルトレックスは高い有効性を示す一方で、一部の患者において軽度~中等度の副作用が認められました。投与時には、患者の状態に応じた注意が必要です。
単純疱疹:国内第Ⅲ相試験
この試験は、成人単純疱疹患者を対象に、バルトレックスとアシクロビルの有効性および安全性を比較するため、二重盲検法によって全国59施設で実施されました。全体で300例が登録され、アシクロビル投与群では1回200mgを1日5回、5日間投与する方法が用いられました。
有効性の評価
バルトレックスを1回500mg、1日2回投与した群(147例)において、以下の有効性が確認されました。
副作用の発現状況
バルトレックスまたは成分のアシクロビルとの関連性が否定できない副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は以下の通りです。
| 投与群 |
安全性解析対象数 |
副作用発現症例数(件数) |
主な副作用の種類(発現件数) |
| バルトレックス群 |
149例 |
33例(55件) |
眠気(7件)、頭痛(6件)、白血球増多[尿中](5件)、軟便(3件)、血小板増多(3件) |
| アシクロビル群 |
148例 |
39例(50件) |
白血球増多[尿中](4件)、不快感[胃](3件)、下痢(3件)、嘔気(3件)、カリウム上昇[血清](3件)、頭痛(3件) |
この結果から、バルトレックスはアシクロビルと比較して服用回数が少なく、有効率も高いことが示されました。副作用の内容は両群で大きな差は認められず、いずれも軽度~中等度のものが中心でした。
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制:国内第Ⅲ相試験
この試験は、成人および小児の造血幹細胞移植患者を対象に、バルトレックスによる単純疱疹(単純ヘルペスウイルス感染症)の発症抑制効果を評価する目的で実施されました。全国11施設で非対照・非盲検のデザインにより行われ、合計40例(錠剤および顆粒剤を含む)が登録されました。
投与方法
- 成人:1回500mg、1日2回
- 小児:1回25mg/kg、1日2回(1回の最大投与量は500mg)
- 投与期間:造血幹細胞移植の7日前から施行後35日までの合計43日間
臨床効果
投与期間中、40例すべてにおいて単純疱疹の発症は認められず、バルトレックスの高い発症抑制効果が示されました。
安全性
本試験において、副作用の発現は報告されませんでした。
帯状疱疹:国内第Ⅱ相試験
本試験は、皮疹出現後72時間以内の成人帯状疱疹患者を対象に、バルトレックスの用量設定を目的として実施されました。全国56施設で実施され、合計183例が登録されました。
有効性の評価
バルトレックスを1回1000mg、1日3回、7日間投与した群(55例)において、以下の有効性が確認されました。
副作用の発現状況
安全性解析の対象となった172例における、副作用(臨床検査値の異常を含む)の発現状況は以下の通りです。
| 安全性解析対象症例数 |
副作用発現症例数(件数) |
主な副作用の種類(発現件数) |
| 172例 |
35例(54件) |
ALT上昇(9件)、AST上昇(7件)、BUN上昇(4件)、白血球増多[血液](3件)、食欲不振(2件)、胃痛(2件)、不快感[胃](2件)、単球減少(2件)、総コレステロール減少(2件) |
帯状疱疹:国内第Ⅲ相試験
本試験は、皮疹出現後72時間以内の成人帯状疱疹患者を対象に、バルトレックスとアシクロビルの有効性および安全性を比較するために実施された二重盲検試験です。全国58施設で実施され、202例が登録されました。アシクロビル群には、1回800mgを1日5回、7日間投与する方法が用いられました。
有効性の評価
バルトレックスを1回1000mg、1日3回投与した群(102例)における有効率は以下の通りです。
副作用の発現状況
| 投与群 |
安全性解析対象症例数 |
副作用発現症例数(件数) |
主な副作用の種類(発現件数) |
| バルトレックス群 |
102例 |
26例(39件) |
ALT上昇(5件)、BUN上昇(3件)、血清クレアチニン上昇(3件)、倦怠感(2件)、腹痛(2件)、不快感[胃](2件)、下痢(2件)、尿糖(2件)、AST上昇(2件)、急性腎障害(1件) |
| アシクロビル群 |
98例 |
22例(32件) |
倦怠感(2件)、腹部膨満感(2件)、ALT上昇(2件)、尿蛋白(2件)、血小板増多(2件)、BUN上昇(1件) |
帯状疱疹:海外臨床試験
本試験は、50歳以上の免疫機能が正常な成人帯状疱疹患者を対象に実施された、無作為化二重盲検比較試験です。対象者は以下の3群に割り付けられました。
- バルトレックス 1000mg 1日3回・7日間投与(384例)
- バルトレックス 1000mg 1日3回・14日間投与(381例)
- アシクロビル 800mg 1日5回・7日間投与(376例)
主要評価項目:帯状疱疹に伴う疼痛の消失までの期間
- バルトレックス7日間投与群と14日間投与群は、いずれもアシクロビル群に比べて有意に疼痛消失までの期間を短縮(p=0.001 および p=0.03)
疼痛消失までの日数(中央値)
| 投与群 |
疼痛消失までの中央値(日数) |
| バルトレックス(7日間投与) |
38日 |
| バルトレックス(14日間投与) |
44日 |
| アシクロビル(7日間投与) |
51日 |
帯状疱疹:製造販売後調査
国内で実施された特定使用成績調査において、成人帯状疱疹患者316例を対象にバルトレックスを投与し、帯状疱疹に伴う疼痛の消失推移が評価されました。
- 平均投与量:2,944mg/日
- 平均投与期間:7.2日間
| 評価項目 |
結果 |
| 疼痛消失までの期間(中央値) |
35日 |
| PHN移行率(皮疹発現90日後の疼痛残存率) |
24.7%(78例/316例) |
水痘:国内臨床試験
本試験は、小児水痘患者を対象とした非対照・非盲検試験として、全国10施設で実施されました。合計43例が登録され、本試験では顆粒剤を使用して評価が行われました。
投与方法
- 対象:小児水痘患者
- 用量:1回25mg/kg、1日3回
- 投与期間:5日間
アシクロビルとの比較
結果は、アシクロビル(1回20mg/kg、1日4回、5日間投与)の試験と比較されました。いずれも皮疹の増加は抑制され、早期から減少する傾向が確認されました。
副作用の発現状況
| 安全性解析対象症例数 |
副作用発現症例数(件数) |
主な副作用の種類(発現件数) |
| 43例 |
2例(3件) |
ALT増加(1件)、AST増加(1件)、便秘(1件) |
これらの副作用はいずれも軽度であり、重篤な有害事象は報告されていませんでした。