リレンザの使い方(使用方法)
リレンザの使い方は、専用の吸入器にディスクをセットし、ブリスター内の粉末剤を吸い込む方式です。
用法・用量については、インフルエンザの治療と予防でそれぞれ異なります。
用法・用量(治療に用いる場合)
| 1回の用量 | 2ブリスター ザナミビルとして10mg |
|---|
| 使用回数 | 1日2回 |
|---|
| 使用期間 | 5日 |
|---|
| 使用間隔 | 12時間以上空ける |
|---|
| 使用タイミング | 毎日決まった時間に使用 |
|---|
| 留意点 | 発症後できるだけ速やかに使用開始する(48時間以内) 吸入が難しい場合は医療従事者の指導を受けること |
|---|
インフルエンザ治療には、1回2ブリスター(10mg)を1日2回、5日間吸入します。
合計20ブリスターを使用することになり、1箱で使用期間をまかなえます。
用法・用量(予防に用いる場合)
| 1回の用量 | 2ブリスター ザナミビルとして10mg |
|---|
| 使用回数 | 1日1回 |
|---|
| 使用期間 | 10日 |
|---|
| 使用間隔 | 24時間以上空ける |
|---|
| 使用タイミング | 毎日決まった時間に使用 |
|---|
| 留意点 | 感染者に接触後1.5日(36時間)以内に開始することが重要 予防目的でも、医師の指示に従って継続使用する |
|---|
インフルエンザ予防には、1回2ブリスター(10mg)を1日1回、10日間吸入します。
こちらも合計20ブリスターの使用となり、1箱で全期間の使用が可能です。
リレンザのディスク1枚には、粉末状の薬剤が封入されたブリスターが4つ搭載されています。
1ブリスターあたりには、5mgの有効成分ザナミビルが含まれており、1回につき2ブリスター分(ザナミビルとして10mg)を吸入します。
専用吸入器の使い方
リレンザは、「ディスクヘラー」と呼ばれる専用吸入器にディスクをセットして使用します。
吸入器は、青いカバー・白いスライドトレイ・茶色の本体で構成されています。
ディスクのセット方法
下記の手順に沿ってディスクをセットし、吸入が終わるまでは本体を水平に保ってください。
- ディスクのセット方法
- RELENZA™と書された面を上にしてカバーを開ける
- スライドトレイを止まるところまで引き出す
- 側面を押さえてトレイを本体から外す
- ディスクの凸面を下にしてトレイに載せる
- トレイを本体に戻す
- 本体のふたを起こしてブリスターに穴を開ける
- 水平を保ったままふたを閉じる
吸入の手順
1ブリスター分の吸入は下記の手順で行います。
- 吸入の手順
- 吸入口に息がかからないように息を吐く
- 下を向かずに吸入口をくわえる
- 姿勢を保ったまま勢いよく吸い込む
- 吸入口から口を離して3~5秒息を止める
- 鼻からゆっくり息を吐く
4か所のブリスターがすべて空になったら、ディスクを取り替えてください。
食事による影響
リレンザは吸入タイプの薬剤のため、食事の影響を受けにくいとされています。
食前・食後どちらでも使用できますが、毎日できるだけ同じ時間帯に使用することが望ましいです。
アルコール(お酒)による影響
現在のところ、リレンザとアルコールの直接的な相互作用は報告されていません。
ただし、体調が優れない時期や治療中は、なるべく飲酒を控えることが推奨されます。
とくに高熱・脱水・食欲不振などがある場合は、アルコールによる負担が体に残る可能性があります。
リレンザの効果効能
- 適応症
- A型/B型インフルエンザウイルス感染症
※A型/B型インフルエンザウイルス感染症の予防を含む
リレンザは、インフルエンザウイルスA型およびB型によって引き起こされる発熱、頭痛、筋肉痛、咽頭痛、咳などの症状を緩和する効果があります。
感染のごく初期にリレンザを使用することで、症状の回復を1~2日程度早めることが期待されます。
インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型・D型の4つのタイプが存在しますが、ヒトの間で流行するのは主にA型とB型です。
リレンザは、これらA型・B型いずれのウイルスに対してもウイルスの増殖を抑える作用を持つため、ヒトに発症するインフルエンザの大部分に対して有効です。
インフルエンザ予防にも効果的
リレンザはインフルエンザの発症を予防する効果もあります。
インフルエンザ感染者と接触した場合でも、すぐにリレンザの吸入を始めれば、使用期間中はインフルエンザの発症を予防できます。
効果の目安(治療目的)
| 効果の発現時間 | 使用開始からおおよそ24時間以内 |
|---|
| 効果のピーク | 投与2~3日目あたり |
|---|
| 効果の持続時間 | 症状の改善が平均1~2日早まる ウイルス増殖は5日間の投与期間中に持続的に抑制 |
|---|
効果の目安(予防目的)
| 効果の発現時間 | 接触後36時間以内に使用開始することで予防効果が発現 |
|---|
| 効果のピーク | 使用初日から継続的に効果を発揮 |
|---|
| 効果の持続時間 | 使用期間中(10~28日間)予防効果が持続 投与終了後は徐々に低下 |
|---|
吸入タイプのメリット
吸入薬であるリレンザは、ウイルスの感染・増殖部位である気道に直接かつ局所的に作用しますので、少量の薬剤でも高い効果が見込めます。
薬剤が一旦全身を巡ってから患部で作用するタミフルのような経口内服薬に比べて、リレンザは全身的な副作用を起こしづらいメリットがあります。
リレンザのような吸入薬は肺や気道の病気に有効とされ、体格や体質による効き目の個人差が生じにくい特性があります。
治療効果は臨床試験で確認済み
インフルエンザを治療するリレンザの効果は、南半球、欧州、北米といった日本国外で実施された臨床試験で認められています。
リレンザの臨床試験は、A型あるいはB型のインフルエンザウイルスに感染した患者を対象に実施されました。
有効性の検証方法は、有効成分サナミビルとして1日20mg吸引した患者群と、効果がない偽薬(プラセボ)を吸引した患者群とで、症状の軽減に要する日数を比較するというものです。
リレンザの臨床試験による治療効果の検証結果
| 実施地域 |
南半球、欧州、北米、日本国内 |
| 対象 |
A型またはB型インフルエンザウイルス感染患者 |
| 試験内容 |
ザナミビル20mg/日吸入群とプラセボ群で症状軽減日数を比較 |
| 結果 |
リレンザ群の方が主症状の軽減が1~2日早かった |
| 有効性 |
インフルエンザ治療において有効性が実証された |
比較の結果、リレンザを吸引した患者群の方が、発熱・頭痛・筋肉痛・咳・のどの痛みといった主症状が少ない日数で軽減し、プラセボ群よりも1日~2日ほど早い症状の軽減が認められたことで、インフルエンザの治療におけるリレンザの有効性は実証されました。
日本国内においてもインフルエンザ感染者に対するリレンザの臨床試験は実施され、上記の臨床試験と同様に偽薬よりも優れた効果が認められています。
臨床試験で示されたリレンザの予防効果
リレンザ(ザナミビル)は、インフルエンザの発症を防ぐ目的でも有効であることが、複数の海外第Ⅲ相臨床試験で確認されています。
下記より家族内・地域内・介護施設内という異なる環境における予防効果の検証結果をご紹介します。
家族内での感染予防(NAI30010試験・NAI30031試験)
家族内にインフルエンザ患者が確認された後、5歳以上の家族全員を対象に、リレンザ10mgを1日1回10日間吸入するか、プラセボを使用するかを比較した試験です。
結果として、リレンザを使用した家族群ではインフルエンザ様症状とウイルス感染が確認された家族の割合が4%にとどまり、プラセボ群の19%と比べて有意に低いことが示されました(p<0.001)。
これは、リレンザを使用することで家庭内での感染拡大を大幅に防げる可能性を示しています。
地域内での感染予防(NAIA3005試験・NAI30034試験)
地域でインフルエンザが流行している環境下において、大学生(18歳以上)や高齢者・基礎疾患のあるハイリスク層を対象に行われた試験です。
リレンザを28日間吸入した群では、大学生において感染率が2.0%(対してプラセボは6.1%)、高齢者などのハイリスク層では0.2%(プラセボは1.4%)と、いずれも有意な予防効果が確認されました(p<0.001)。
介護施設における感染予防(NAIA3003試験)
インフルエンザが発生している介護施設の入所者を対象に、14日間リレンザを使用した群と対照群で比較した試験です。
感染者の割合はリレンザ群で4%、対照群で8%という結果が出ました。統計的にはわずかに有意差が確認されなかったものの(p=0.085)、リレンザによる感染リスク低減の傾向が認められています。
また、副作用は全体の34%にみられ、主な症状は咳嗽・消化器症状・便秘・頭痛・鼻症状などでした。
リレンザの予防効果:主な試験結果まとめ
| 対象 |
リレンザ群の感染率 |
対照群の感染率 |
効果 |
| 感染者が出た家族(5歳以上) |
4% |
19% |
約5分の1に減少 |
| 大学に通う健康な18歳以上 |
2.0% |
6.1% |
約3分の1に減少 |
| 高齢者や持病のある人 |
0.2% |
1.4% |
約7分の1に減少 |
| 介護施設にいる高齢者 |
4% |
8% |
半分に減少 |
作用機序(仕組み)
ザナミビルは、インフルエンザウイルス表面に存在する酵素「ノイラミニダーゼ」を選択的に阻害する薬剤です。
A型インフルエンザウイルスのすべての既知のサブタイプに加え、B型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対しても阻害作用を示します。
ノイラミニダーゼは、新たに産生されたウイルスが感染細胞から放出される際に必要不可欠な酵素であり、またウイルスが粘膜を通って気道上皮細胞へ到達する際にも関与している可能性があります。
ザナミビルは細胞の外側からこの酵素の働きを阻害することで、感染性ウイルスの細胞外への放出を防ぎ、A型およびB型インフルエンザウイルスの感染拡大を抑えると考えられています。
リレンザの臨床成績(有効性および安全性に関する試験)
- [治療] 有効性および安全性に関する試験
- 国内第Ⅱ相試験(成人)
- 海外第Ⅲ相試験(成人)
- 国内第Ⅲ相試験(小児)
- 海外第Ⅲ相試験(小児)
- [予防] 有効性および安全性に関する試験
- 国内第Ⅲ相試験(成人)
- 海外第Ⅲ相試験(家族内感染)
- 海外第Ⅲ相試験(地域内感染)
- 海外第Ⅲ相試験(介護施設内感染)
- 海外臨床試験(ハイリスク患者)
- 製造販売後調査等
[治療] 国内第Ⅱ相試験(成人)
主な症状の改善効果(発熱・頭痛・筋肉痛)
ザナミビル(リレンザ)を1日20mgまたは40mgで5日間吸入投与したところ、発熱・頭痛・筋肉痛の3症状において、症状が「ほとんど気にならない」あるいは「症状なし」と評価された患者の割合が、プラセボ群に比べて高くなりました。
特に2日目および3日目において、ザナミビル群では有意な改善が認められ、発熱を含む主症状の軽減がプラセボより早い段階で進んだことが明らかになりました。
発熱・頭痛・筋肉痛の軽減率(主要評価項目)
インフルエンザ症状(発熱、頭痛および筋肉痛)の軽減率(国内治療試験:成人)
| 薬剤群 |
初診日 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
5日目 |
6日目 |
7日目 |
8日目 |
9日目 |
| プラセボ (107例) |
0.9% (1例) |
10.3% (10例) |
27.1% (18例) |
56.1% (31例) |
74.8% (20例) |
86.0% (12例) |
87.9% (3例) |
93.5% (6例) |
96.3% (3例) |
| ザナミビル 20mg/日群 (101例) |
4.0% (4例) |
13.9% (14例) |
32.7% (19例) |
62.4% (25例) |
78.2% (16例) |
86.1% (8例) |
94.1% (8例) |
97.0% (3例) |
97.0% (0例) |
| ザナミビル 40mg/日群 (110例) |
0.0% (0例) |
13.6% (15例) |
35.5% (24例) |
58.2% (25例) |
78.2% (22例) |
87.3% (10例) |
90.0% (3例) |
94.6% (5例) |
94.6% (0例) |
日内最高体温の推移
日内の最高体温については、2日目および3日目において、ザナミビル投与群の方がプラセボ群よりも低下の度合いが大きく、解熱の効果が早く現れました。
副次評価項目(発熱・頭痛・筋肉痛・咳・咽頭痛)
主要3症状に咳と咽頭痛を加えた5症状を評価したところ、ザナミビル群では症状軽減率が高く、特に20mg/日群での改善が顕著でした。
インフルエンザ症状(発熱、頭痛、筋肉痛、咳及び咽頭痛)の軽減率(国内治療試験:成人)
| 薬剤群 |
初診日 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
5日目 |
6日目 |
7日目 |
8日目 |
9日目 |
| プラセボ (54例) |
0.0% (0例) |
3.7% (2例) |
5.6% (1例) |
20.4% (8例) |
35.2% (8例) |
46.3% (6例) |
57.4% (6例) |
61.1% (2例) |
64.8% (2例) |
| ザナミビル 20mg/日群 (55例) |
0.0% (0例) |
3.6% (2例) |
14.6% (6例) |
25.5% (6例) |
32.7% (4例) |
45.5% (7例) |
56.4% (6例) |
69.1% (5例) |
78.2% (5例) |
| ザナミビル 40mg/日群 (63例) |
0.0% (0例) |
6.4% (4例) |
20.6% (9例) |
33.3% (8例) |
52.4% (12例) |
66.7% (8例) |
74.6% (5例) |
79.4% (3例) |
84.1% (3例) |
その他の所見
5日間の治療終了後に症状が再び現れた再発率は、ザナミビル20mg/日群で8.8%、40mg/日群で7.3%、プラセボ群では22.2%でした。
発疹などの副作用発現率は、各群ともに1.0%(1例)のみであり、いずれも軽度であったと報告されています。
[治療] 海外第Ⅲ相試験(成人)
南半球における臨床試験結果
南半球における臨床試験では、ザナミビル20mg/日吸入により、インフルエンザによる症状の軽減がプラセボよりも早まることが示されました。
全例の中央値では、症状が軽快するまでの期間はザナミビル群で5.0日、プラセボ群で6.0日とされ、1日早い回復が認められています。
また、感染が確認された症例に限定すると、ザナミビル群では4.5日、プラセボ群では6.0日となり、さらに顕著な差がありました。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| 解析集団/実施地域 |
ザナミビル 20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 投与された全例 |
5.0日 (227例) |
6.5日 (228例) |
| インフルエンザウイルスの感染が確認された集団 |
4.5日 (161例) |
6.0日 (160例) |
[治療] 海外第Ⅲ相試験(成人)
南半球における臨床試験結果
南半球における臨床試験では、ザナミビル20mg/日吸入により、インフルエンザによる症状の軽減がプラセボよりも早まることが示されました。
全例の中央値では、症状が軽快するまでの期間はザナミビル群で5.0日、プラセボ群で6.0日とされ、1日早い回復が認められています。
また、感染が確認された症例に限定すると、ザナミビル群では4.5日、プラセボ群では6.0日となり、さらに顕著な差がありました。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| 解析集団/実施地域 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 投与された全例 |
5.0日(227例) |
6.5日(228例) |
インフルエンザウイルスの感染が 確認された集団 |
4.5日(161例) |
6.0日(160例) |
ウイルス型別にみた回復期間
ウイルスの型別に見た場合でも、ザナミビル群ではプラセボ群よりも症状が軽減するまでの日数が短縮されていました。
A型では2日、B型では1.5日の差が見られています。
ウイルス型別のインフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| インフルエンザウイルスの型 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
日数の差 |
| A型 |
4.5日(105例) |
6.5日(109例) |
2.0日 |
| B型 |
4.5日(56例) |
6.0日(51例) |
1.5日 |
咳や発熱の改善日数と合併症の発生率
ザナミビル群では、咳や発熱の軽減までにかかる日数もプラセボ群より短く、合併症の発生率も抑えられていました。
合併症(気管支炎、肺炎など)の発生はプラセボ群で30%、ザナミビル群では24%にとどまりました。
咳と発熱の軽減に要した日数(中央値)及び合併症の併発率(海外治療試験:成人)
|
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 咳の軽減日 |
3.0日 |
3.8日 |
| 発熱の軽減日 |
1.0日 |
1.5日 |
| 合併症併発率 |
24% |
30% |
欧州における臨床試験結果
欧州における臨床試験では、ザナミビル20mg/日吸入による症状の軽減効果が確認されました。
ザナミビル群では、インフルエンザウイルスの感染が確認された例において、症状が軽快するまでの期間がプラセボ群よりも明らかに短くなっていました。
症状の軽減にかかった日数の中央値は、ザナミビル群で5.0日、プラセボ群で7.5日と、2.5日の差が見られました。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| 解析集団/実施地域 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 投与された全例 |
5.0日(174例) |
7.5日(182例) |
インフルエンザウイルスの感染が 確認された集団 |
5.0日(136例) |
5.0日(141例) |
ウイルス型別の症状軽減までの期間
インフルエンザウイルスの型別にみても、ザナミビル群ではいずれの型においても症状の改善が早くなっていました。
A型では2.5日、B型では6.3日の差がありました。
ウイルス型別のインフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| インフルエンザウイルスの型 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
日数の差 |
| A型 |
5.0日(132例) |
7.5日(133例) |
2.5日 |
| B型 |
7.5日(4例) |
14.0日(8例) |
6.5日 |
咳・発熱の改善までの期間と合併症の発生率
咳および発熱の改善までに要する日数も、ザナミビル群の方が短くなっていました。
また、気管支炎や肺炎などの合併症の発生率も、ザナミビル群では24%と、プラセボ群の33%より低く抑えられています。
咳と発熱の軽減に要した日数(中央値)及び合併症の併発率(海外治療試験:成人)
|
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 咳の軽減日 |
3.0日 |
4.0日 |
| 発熱の軽減日 |
1.5日 |
2.0日 |
| 合併症併発率※ |
24% |
33% |
※呼吸器系、循環器系、耳鼻咽頭部位の感染及びその他の合併症の併発率
北米における臨床試験結果
北米における臨床試験では、ザナミビル20mg/日吸入による症状の軽減速度が確認されました。
全例の中央値では、ザナミビル群で5.5日、プラセボ群で6.0日と、0.5日の短縮が見られました。
インフルエンザウイルス感染が確認された患者に限定すると、ザナミビル群で5.0日、プラセボ群で6.0日となり、1日早い回復が得られました。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| 解析集団/実施地域 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 投与された全例 |
5.5日(412例) |
6.0日(365例) |
インフルエンザウイルスの感染が 確認された集団 |
5.0日(312例) |
6.0日(257例) |
ウイルス型別にみた症状軽減期間
A型インフルエンザウイルスに感染した患者では、ザナミビル群で5.0日、プラセボ群で6.0日と1.0日の差がありました。
B型感染例では、ザナミビル群で4.5日、プラセボ群では5.5日と、こちらも1.0日の短縮が確認されています。
ウイルス型別のインフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:成人)
| インフルエンザウイルスの型 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
日数の差 |
| A型 |
5.0日(307例) |
6.0日(251例) |
1.0日 |
| B型 |
4.5日(3例) |
13.5日(5例) |
9.0日 |
咳・発熱の軽減と合併症の発生率
咳の軽快までにかかった日数は、ザナミビル群で3.0日、プラセボ群で4.0日と1日短縮されていました。
発熱についても、ザナミビル群で1.0日、プラセボ群で1.5日と早期に軽快する傾向が見られました。
さらに、気管支炎や肺炎などの合併症は、ザナミビル群で15%、プラセボ群で22%と、リスクが低減していました。
咳と発熱の軽減に要した日数(中央値)及び合併症の併発率(海外治療試験:成人)
|
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
| 咳の軽減日 |
3.0日 |
4.5日 |
| 発熱の軽減日 |
1.0日 |
1.5日 |
| 合併症併発率※ |
15% |
22% |
※呼吸器系、循環器系、耳鼻咽頭部位の感染及びその他の合併症の併発率
[治療] 国内第Ⅲ相試験(小児)
5~14歳の小児を対象に、ザナミビル吸入(20mg/日)を5日間投与する治療試験(オープン試験)が実施されました。
主要評価項目は、インフルエンザ主要症状の軽減で、体温(腋窩)37.5℃未満、または「軽度」「頭痛なし」「咽頭痛なし」「発熱なし」「筋肉・関節痛なし」の状態が24時間以上持続した場合に達成とみなされました。
症状軽減までの中央値は4.0日でした。
副作用の報告は3例(2%)で、口内炎、顔面紅斑(口唇の腫れ)などが確認されています。
全身のそう痒感も1例(0.7%)にみられました。
[治療] 海外第Ⅲ相試験(小児)
5~12歳の小児を対象に実施された海外治療試験では、成人と同様にザナミビル20mg/日を5日間投与し、症状軽減までの日数を評価しました。
評価基準は、体温(耳内)37.8℃未満、もしくは「軽度」「頭痛なし」「咽頭痛なし」「発熱なし」「筋肉痛なし」となり、これが24時間以上続くことと定義されました。
ザナミビル群では症状軽減までの中央値が4.0日、プラセボ群では5.25日であり、1.25日の差がつきました。
この差は統計的に有意で、ザナミビル群の方が有意に早く症状が軽減したと報告されています(p<0.001)。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:小児)
| 解析集団 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
日数の差 |
P値(95%信頼区間) |
インフルエンザウイルスの感染が 確認された症例 |
4.0日(164例) |
5.25日(182例) |
1.25日 |
<0.001(0.5, 2.0) |
副作用の発現率は3%(7/224例)であり、主な症状は下痢、消化不良、口腔内炎症、頭痛などでした。
[予防] 国内第Ⅲ相試験(成人)
国内第Ⅲ相試験(成人・予防)
18歳以上の医療機関の従事者を対象として、ザナミビル吸入(10mg/日)を28日間投与する予防試験が実施されました。
本試験はプラセボを対照とした二重盲検群間比較試験として行われました。
インフルエンザ様症状の発現(発熱37.5℃以上、発熱感、咳、頭痛、咽頭痛、筋肉痛・関節痛のうち2つ以上の症状を含む)及びインフルエンザウイルス感染が確認された患者の割合は、ザナミビル群で1.9%(3/161例)、プラセボ群では3.8%(6/156例)でした(p=0.331)。
ザナミビル群の副作用発現率は1%未満(1/161例)であり、妊娠数の増加も1%未満(1/161例)でした。
[予防] 海外第Ⅲ相試験(家族内感染)
海外第Ⅲ相試験(家族内感染)
NAI30010試験では、家族内においてインフルエンザウイルス感染症患者が確認された家庭において、5歳以上の家族全員を対象にザナミビル10mgを1日1回吸入させ、プラセボとの比較試験が行われました。
発症例と接触者は同一の投与群にランダム化されています。
インフルエンザ様症状(発熱37.8℃以上に加え、咳、頭痛、咽頭痛、筋肉痛のうち2つ以上の症状)およびウイルス感染が認められた家族の割合は、ザナミビル群で4%(7/169家族)、プラセボ群で19%(32/168家族)でした。
この結果より、ザナミビル10mg/日群はプラセボ群に比べて有意な予防効果を示しました(p<0.001)。
NAI30031試験では、発症者に対する抗インフルエンザ薬の治療を実施せず、感染後の自然経過を観察した上で、残りの家族(5歳以上)にザナミビル10mgまたはプラセボを1日1回、10日間吸入させて比較しました。
同様に、インフルエンザ様症状およびウイルス感染が認められた家族の割合は、ザナミビル群で4%(10/245家族)、プラセボ群で19%(46/242家族)でした。
この結果もまた、ザナミビル群がプラセボ群に比べて有意な予防効果を持つことを示しています(p<0.001)。
[予防] 海外第Ⅲ相試験(地域内感染)
海外第Ⅲ相試験(地域内感染)
NAIA3005試験では、インフルエンザウイルス感染症の発生が認められている地域において、同じ大学に所属する18歳以上の者を対象に、ザナミビル10mgを1日1回、28日間吸入させ、プラセボ群と比較した予防試験が実施されました。
インフルエンザ様症状(口腔体温37.8℃以上に加え、咳、頭痛、咽頭痛、筋肉痛のうち2つ以上)およびインフルエンザウイルス感染が確認された患者の割合は、ザナミビル群で2.0%(11/553例)、プラセボ群で6.1%(34/554例)でした。
この結果より、ザナミビル群はプラセボ群より有意な予防効果を示しました(p<0.001)。
NAI30034試験では、同様に感染が確認された地域において、高齢者(65歳以上)、糖尿病患者、慢性呼吸器疾患や心疾患を有するハイリスク群を対象にザナミビル10mgを1日1回、28日間吸入させ、プラセボと比較しました。
インフルエンザ様症状およびウイルス感染が認められた割合は、ザナミビル群で0.2%(4/1678例)、プラセボ群で1.4%(23/1685例)でした。
ザナミビル群では、プラセボ群と比較して有意な予防効果が示されています(p<0.001)。
[予防] 海外第Ⅲ相試験(介護施設内感染)
(1)米国における臨床試験
インフルエンザウイルス感染症の発生が確認された介護施設の入所者を対象に、ザナミビル10mgを1日1回、14日間吸入する試験が実施されました。
対象者には対照薬(A型にはリマンタジン、B型にはプラセボ)が投与され、予防効果が比較されました。
インフルエンザウイルス感染症患者の割合(米国での予防試験)
| 試験 |
ザナミビル10mg/日群 |
対照群注1) |
P値 |
| NAIA3003 |
4%(7/184例) |
8%(16/191例) |
0.085 |
注1)A型インフルエンザウイルスに対してリマンタジン、B型インフルエンザウイルスに対してプラセボを投与。
ザナミビル群の副作用発現率は34%(80/238例)でした。
主な副作用は、咳嗽7%(17例)、消化器症状5%(13例)、便秘5%(12例)、頭痛5%(11例)、鼻症状5%(11例)でした。
(2)欧州における臨床試験
インフルエンザウイルス感染症の発生が認められた介護施設において、ザナミビル10mgを1日1回、14日間吸入する予防試験が行われました。
対照薬はプラセボで、予防効果を比較しています。
インフルエンザウイルス感染症患者の割合(欧州での予防試験)
| 試験 |
ザナミビル10mg/日群 |
対照群※ |
P値 |
| NAIA3004 |
6%(15/240例) |
9%(23/249例) |
0.355 |
※A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスのいずれに対してもプラセボを投与。
ザナミビル群の副作用発現率は16%(39/242例)で、主な副作用は咳嗽、頭痛、悪心、鼻の症状、嘔吐などが報告されています。
副作用の発現頻度は比較的低く、重大な安全性の懸念は認められていませんでした。
[予防] 海外臨床試験(ハイリスク患者)
慢性呼吸器疾患(喘息・COPD)を基礎疾患にもつ患者での治療試験
南半球、欧州などにおいて、気管支喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)を基礎疾患にもつインフルエンザウイルス感染患者を対象に、治療試験が実施されました。
ザナミビル20mg/日吸入の効果が、プラセボと比較されました。
主要評価項目は、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などの主な症状がすべて消失するまでの日数です。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:慢性呼吸器疾患を有する患者)
| 解析集団 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
日数の差 |
P値 |
| 試験薬を割り付けた全例 |
6.0日(262例) |
7.0日(263例) |
1.0日 |
0.123 |
インフルエンザウイルスの感染が 確認された集団 |
5.5日(160例) |
7.0日(153例) |
1.5日 |
0.009 |
感染確認例では、ザナミビル群の方がプラセボ群よりも1.5日早く主症状が消失しました。
この差は統計的に有意とされています。
有害事象の発現率は、投与中のいずれかの時点でプラセボ群42%(111/263例)、ザナミビル群38%(99/261例)でした。
投与後における有害事象の発現率は、プラセボ群35%(92/263例)、ザナミビル群44%(114/259例)でした。
投与中に重篤な有害事象と判定された割合は、プラセボ群9%(23/263例)、ザナミビル群6%(16/261例)でした。
投与後においても、プラセボ群6%(15/263例)、ザナミビル群4%(10/261例)と、いずれも大きな差は見られませんでした。
代表的な症状は、悪心、頭痛、鼻閉、気管支炎であり、重篤性に差はありませんでした。
呼吸機能への影響
肺機能に対する影響も評価され、FEV1.0(1秒量)およびPEFR(最大呼気流量)について、ザナミビルとプラセボ群の間に有意な差は見られませんでした。
28日目までに、肺機能に関する副作用の頻度は両群間で大きく変わらなかったと報告されています。
海外臨床試験(ハイリスク患者 その2)
65歳以上、慢性呼吸器疾患、高血圧を除く心血管系疾患、糖尿病、免疫不全状態のいずれかを有する患者を対象に、ザナミビルの治療効果を検討する試験が実施されました。
南半球や欧州において、小児に接触する職種の成人(例:保育士)も含めた対象群より、ザナミビル20mg/日群とプラセボ群に分けて投与し、主要症状が消失するまでの日数を比較しました。
評価対象の症状は、発熱、筋肉痛、頭痛、咳、咽頭痛の5項目です。
投与された全例の中央値は、ザナミビル群で5.5日、プラセボ群で7.0日と1.5日短縮されました(p=0.046)。
感染が確認された例では、ザナミビル群で5.0日、プラセボ群で7.5日となり、2.5日早い改善が確認されました(p=0.015)。
インフルエンザ症状の軽減に要した日数(中央値)(海外治療試験:ハイリスク患者)
| 解析集団 |
ザナミビル20mg/日群 |
プラセボ群 |
日数の差 |
P値 |
| 投与された全例 |
5.5日(154例) |
7.0日(167例) |
1.5日 |
0.046 |
インフルエンザウイルスの感染が 確認された集団 |
5.0日(105例) |
7.5日(122例) |
2.5日 |
0.015 |
抗生剤による治療を必要とする二次的合併症の発現率は、ザナミビル群で16%(24/154例)、プラセボ群では25%(41/167例)でした。
特にインフルエンザ感染が確認された例では、ザナミビル群14%(14/105例)、プラセボ群29%(35/122例)と差が拡大し、統計的に有意な差がありました(p=0.045)。
また、慢性呼吸器疾患を有する患者のうち、吸入ステロイドを併用している患者においても評価が行われました。
ザナミビル群では9%(4/45例)、プラセボ群では35%(14/40例)に二次感染が発生し、ザナミビルの予防的効果が明確に認められました(p=0.007)。
[予防] 製造販売後調査等
使用成績調査
インフルエンザウイルス感染症の治療に関する使用成績調査における安全性および有効性は下記のとおりです。
17.2.1 使用成績調査
インフルエンザウイルス感染症の治療に関する使用成績調査における安全性及び有効性は下記のとおりである。
使用成績調査
| 対象 |
有効性※2 |
| 解析対象全症例 |
97.2%(4041/4159例) |
| ハイリスク患者以外 |
97.2%(3643/3747例) |
| ハイリスク患者※1 |
96.6%(398/412例) |
| ハイリスク因子高齢者(65歳以上) |
96.7%(204/211例) |
| ハイリスク因子慢性呼吸器疾患(気管支喘息、COPDを含む) |
96.0%(169/176例) |
| ハイリスク因子循環器系疾患(高血圧を除く) |
100.0%(28/28例) |
| ハイリスク因子糖尿病 |
98.0%(50/51例) |
| ハイリスク因子慢性腎不全 |
100.0%(3/3例) |
| 年齢~5歳未満 |
100.0%(44/44例) |
| 年齢5歳~15歳未満 |
98.1%(418/426例) |
| 年齢15歳~65歳未満 |
97.0%(3375/3478例) |
※1:インフルエンザウイルス感染症が重症化しやすいとされるリスク因子
※2:「有効」「無効」「判定不能」のうち、調査担当医師が「有効」と判定した症例
インフルエンザウイルス感染症が重症化しやすいとされる高リスク群においても、医師評価で高い有効性が認められました。
評価は「有効」「無効」「判定不能」の3区分で行われ、「有効」と判断された割合が上記に該当します。
特定使用成績調査(1)治療
インフルエンザウイルス感染症に対する有効性を確認するために、成人および小児(15歳未満)を対象とした特定使用成績調査が行われました。
評価項目はインフルエンザ主要症状の軽減までに要する日数であり、中央値は下記の通りです。
所要日数(中央値)
| 評価項目 |
成人(15歳以上) |
小児(2~15歳未満) |
| インフルエンザ主要症状※軽減 |
3日(421例) |
2日(334例) |
| 解熱 |
2日(387例) |
2日(430例) |
※インフルエンザ主要症状:さむけ・発汗、頭痛、のどの痛み、筋肉又は関節の痛み、咳
主要症状とは、せき、発熱、頭痛、筋肉痛などであり、それらが明らかに軽快した状態をもって軽減と判断されました。
特定使用成績調査(2)予防
インフルエンザウイルス感染症の予防に関する有効性を確認する目的で、インフルエンザ感染者と同居している家族を対象とした調査が行われました。
その結果、予防投与群ではインフルエンザの発症率が1.13%(3/266例)であり、非投与群では11.39%(36/316例)でした。
評価対象となる症状は、発熱、咳、頭痛、のどの痛み、筋肉痛などです。
これらが2つ以上、かつ1.5日以上続いた場合を「発症」と定義しています。