トラザロンの概要
- トラザロンの特徴
- トラゾドン塩酸塩を有効成分とする、うつ病・うつ状態の治療に用いられる医薬品
- セロトニンの再取り込みを阻害し、5-HT2受容体を遮断することで抗うつ効果が現れる
- うつ病・うつ状態にともなう睡眠障害の改善にも関与するとされる成分を配合
トラザロンの現物サイズ
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シート正面 |
錠剤正面 |
| 長辺 |
70.2mm |
8mm |
| 短辺 |
30mm |
8mm |
| 厚み |
4.6mm |
3.5mm |
| 重量 |
2.82g |
0.18g |
※当サイトのスタッフが現物を測定した数値であり、商品ごとに若干の差異があるため、おおよその目安として予めご了承ください。
| 包装タイプ |
PTP包装シート |
| 剤形タイプ |
フィルムコーティング錠 |
トラザロンの飲み方(服用方法)
下記の用法・用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
用法・用量
| 1回の用量 | ▼初期用量 50mg錠の場合:1錠+1/2錠~2錠 トラゾドン塩酸塩として75~100mg ▼維持用量 50mg錠の場合:最大4錠分/日 トラゾドン塩酸塩として最大200mg |
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| 服用回数 | 1日1~数回 |
|---|
トラザロンは、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
通常、成人はトラゾドン塩酸塩として1日75~100mgから服用を開始し、症状に応じて1日200mgまで増量できます。
50mg錠の場合、初期用量は1日1錠+1/2錠~2錠分、最大用量は1日4錠分が目安です。
1日1回または数回に分けて服用します。
服用量や服用回数は、年齢や症状によって調整されます。
自己判断で服用量を増減したり、急に服用を中止したりしないでください。
食事による影響
トラゾドン塩酸塩は、食事によって吸収速度に変化が現れることがあります。
資料では、食後に服用した場合、空腹時と比べて最高血中濃度が22%低下し、最高血中濃度に達するまでの時間が51%延長したとされています。
一方で、半減期およびAUCには、空腹時と食後で有意差はないとされています。
そのため、食事の有無によって薬の効き方に大きな差が出るとは限りませんが、服用タイミングは指定された方法に従ってください。
アルコール(お酒)による影響
トラザロンの服用中にアルコールを摂取すると、眠気やふらつきなどの中枢神経抑制作用が強く現れるおそれがあります。
添付文書では、アルコールや中枢神経抑制剤との併用により、本剤の作用が増大するおそれがあるとされています。
服用中の飲酒はできるだけ避けてください。
トラザロンの効果効能
- 適応症
トラザロンは、トラゾドン塩酸塩を有効成分とする、うつ病・うつ状態の治療に用いられる医薬品です。
気分の落ち込みや意欲の低下、不安感、睡眠の乱れなど、うつ病・うつ状態にともなう症状の改善を目的として使用されます。
トラゾドン塩酸塩は、セロトニンに関わる神経機能を調整することで、抗うつ効果が現れると考えられています。
また、5-HT2受容体を遮断する作用により、うつ病・うつ状態にともなう睡眠障害の改善にも関与するとされています。
作用機序(仕組み)
トラザロンの有効成分であるトラゾドン塩酸塩は、セロトニンの再取り込みを阻害することで、脳内のセロトニン神経機能を高めると考えられています。
セロトニンは気分や感情の安定に関わる神経伝達物質であり、その働きを補うことで抗うつ効果が現れます。
また、トラゾドン塩酸塩は5-HT2受容体を遮断する作用も持っています。
この作用により、うつ病・うつ状態にともなう睡眠障害の改善にもつながるとされています。
トラザロンの副作用
トラザロンは、副作用の出やすい医薬品ではありませんが、副作用がいくつか確認されています。
主な副作用は、低血圧、眠気、浮腫、口渇、などとされています。
副作用は一時的であり、軽度な症状がほとんどです。
他にも服用後に下記の副作用が現れることがあります。
トラザロンの副作用
| 部位 |
0.1%~5%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
| 循環器 |
低血圧、動悸・頻脈 |
失神、徐脈、不整脈 |
高血圧、起立性低血圧 |
| 精神神経系 |
眠気、めまい・ふらつき、頭痛・頭重、構音障害、振戦等のパーキンソン症状、頭がボーッとする、視調節障害(霧視、複視等)、不眠、運動失調、躁転 |
痙攣、焦燥感、流涎、健忘、知覚障害、幻覚、運動過多、不安、見当識障害、口周囲不随意運動、集中力低下 |
興奮、妄想、性欲亢進、性欲減退、悪夢、怒り・敵意(攻撃的反応)、異常感覚、インポテンス、協調運動障害、激越 |
| 過敏症 |
浮腫、発疹 |
そう痒感 |
眼瞼そう痒感 |
| 血液 |
白血球減少、貧血 |
白血球増多 |
溶血性貧血、血小板減少 |
| 消化器 |
口渇、便秘、悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛 |
下痢、胃重感、嚥下障害、腹部膨満感、味覚異常 |
食欲亢進、胸やけ |
| 肝臓 |
肝機能障害 (AST、ALT、Al-P、γ-GTP上昇等) |
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| その他 |
倦怠感、ほてり、脱力感、排尿障害 |
鼻閉、関節痛、筋肉痛、発汗、眼精疲労、耳鳴、尿失禁、頻尿、射精障害、月経異常、乳房痛、胸痛、体重減少、体重増加、疲労、悪寒、血清脂質増加 |
息切れ、血尿、乳汁分泌、眼球充血、低ナトリウム血症、発熱 |
重大な副作用
下記の症状が現れた場合は、すぐに服用を中止してください。
- トラザロンの重大な副作用
- QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)、心室細動、心室性期外収縮(いずれも頻度不明)
- 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
- セロトニン症候群(頻度不明)
- 錯乱(頻度不明)、せん妄(0.07%)
- 麻痺性イレウス(0.03%)
- 持続性勃起(頻度不明)
- 無顆粒球症(頻度不明)
トラザロンの禁忌
トラザロンには禁忌(服用してはいけない方)が指定されています。
下記に該当する方はトラザロンを服用できません。
トラザロンの服用に注意が必要な方
トラザロンには禁忌ではありませんが、服用に注意が必要な方が指定されています。
下記に該当する方は、トラザロンを服用する前に医師に相談してください。
- トラザロンの服用に注意が必要な方
- 心筋梗塞回復初期の方および心疾患の方またはその既往歴のある方
- 緑内障、排尿困難または眼内圧亢進のある方
- てんかん等の痙攣性疾患またはこれらの既往歴のある方
- 躁うつ病の方
- 脳の器質障害または統合失調症の素因のある方
- 衝動性が高い併存障害を有する方
- 自殺念慮または自殺企図の既往のある方、自殺念慮のある方
- 出血傾向またはその既往のある方
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性
- 授乳婦
- 小児等
- 高齢者
トラザロンの併用禁忌薬
トラザロンには併用禁忌薬(併用して服用してはいけない医薬品)が指定されていません。
トラザロンの併用注意薬
トラザロンには併用禁忌薬ではありませんが、併用注意薬(併用に注意が必要な医薬品)が指定されています。
トラザロンと併用すると効果が減弱したり、副作用が増強するなど体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
併用して服用する場合は、注意しながら服用するか、そもそも併用自体を避けることが望ましいでしょう。
下記に該当する医薬品を服用している場合は、トラザロンを服用する前に医師に相談してください。
トラザロンの併用注意薬
| 薬剤名等 |
臨床症状・措置方法 |
機序・危険因子 |
| 降圧剤 |
起立性低血圧及び失神を含む低血圧が起こるおそれがあるので、降圧剤の用量調節に注意すること。 |
本剤によってもまた、血圧低下があらわれることがある。 |
アルコール 中枢神経抑制剤 バルビツール酸誘導体等 |
本剤の作用が増大するおそれがある。 なお、できるだけ飲酒は避けさせること。 |
中枢神経抑制作用が増強される。 |
| モノアミン酸化酵素阻害剤 |
これらの薬剤の中止直後あるいは併用する場合に、本剤の作用が増大するおそれがあるので、本剤の投与量を徐々に増量するなど慎重に投与を開始すること。 |
セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある。 |
強心配糖体 ジゴキシン等 フェニトイン |
血清中のジゴキシン濃度又はフェニトイン濃度が上昇するおそれがある。 |
機序不明 |
フェノチアジン誘導体 クロルプロマジン塩酸塩等 |
血圧低下を起こすおそれがある。 |
ともにα受容体遮断作用を有する。 |
| ワルファリンカリウム |
プロトロンビン時間の短縮がみられたとの報告がある。 |
機序不明 |
抗凝固薬 ワルファリンカリウム、リバーロキサバン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等 抗血小板薬 アスピリン、クロピドグレル硫酸塩等 非ステロイド性抗炎症薬 |
出血傾向の増強を伴う血液凝固能の変動がみられたとの報告がある。 |
セロトニン依存性の血小板凝集経路を阻害する可能性がある。 |
| カルバマゼピン |
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 |
CYP3A4の誘導作用により本剤の代謝が促進される。 |
CYP3A4阻害剤 リトナビル ニルマトレルビル・リトナビル インジナビル |
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど用量に注意すること。 |
これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される。 |
セロトニン作動薬 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) パロキセチン セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI) アミトリプチリン イミプラミン塩酸塩 クロミプラミン塩酸塩 タンドスピロン 炭酸リチウム トリプタン系薬剤 L-トリプトファン含有製剤 タペンタドール塩酸塩含有製剤 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物含有製剤 トラマドール塩酸塩含有製剤 フェンタニル含有製剤 ペチジン塩酸塩含有製剤 ペンタゾシン含有製剤 メサドン塩酸塩 等 |
セロトニン症候群を起こすおそれがある。 |
機序不明 |
| セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
セロトニン症候群を起こすおそれがある。 |
機序不明 |
トラザロンの基本的な注意事項
トラザロンの服用中は、眠気や注意力・集中力・反射運動能力の低下が現れることがあります。
服用中は、自動車の運転や危険をともなう機械の操作は避けてください。
うつ症状がある方は、服用開始直後や用量を変更した時期に、気分や行動の変化が現れることがあります。
不安、焦り、興奮、不眠、刺激を受けやすい状態、攻撃的な言動、衝動性、軽躁、躁病などが現れることがあるため、状態の変化に注意してください。
服用量を急に減らしたり、服用を中止したりすると、吐き気、頭痛、倦怠感、不安、睡眠障害などの離脱症状が現れることがあります。
自己判断で服用量を変更せず、決められた用量を守って服用してください。
トラザロンでは、QT延長や心室頻拍、心室細動、心室性期外収縮などの心臓に関する副作用が報告されています。
動悸、めまい、失神しそうな感覚などが現れた場合は、服用を中止せずに、すみやかに相談してください。
また、無顆粒球症が現れたとの報告もあります。
発熱、のどの痛み、強い倦怠感など、感染症を疑う症状が現れた場合は注意が必要です。
トラザロンの保管方法
トラザロンは、光や温度、湿度などによって効果が損なわれる場合があります。
下記の要項を守って保管してください。
- トラザロンの保管方法
- 高温多湿にならない場所に保管してください
- 直射日光が当たらない場所に保管してください
- 子供やペットの手の届かない場所に保管してください
- なるべく鍵のかかる場所に保管してください
- 別の容器や包装に移し替えず、元の容器や包装に保管してください
- 容器のふたや栓はしっかり閉めて保管してください
- 乾燥剤が入っていた場合、開封後もそのままの状態で保管してください
- 使用期限が分かる状態で保管してください
- 使用期限を過ぎた場合、使用せずに破棄してください
- 冷蔵庫や冷凍庫、台所、浴室、玄関、ベランダ、窓際、車内、冷暖房器具の近くで保管しないでください
- 錠剤を分割した状態で長期間保管しないでください
トラザロンに限らず、多くの医薬品は光(紫外線)によって成分が変化したり、分解されてしまいます。
効果が期待できなくなったり、体に有害な影響を与える可能性があるのです。
そのため、光を遮断できる場所や容器に保管することが最も大切とされています。
原則として30℃を超える様な高温の場所も適していません。
冷暗所が保管場所として最適
直射日光が当たらない(暗い)、湿気が少ない(乾燥している)、風通しが良い(涼しい)、いわゆる「冷暗所」で保管するのが理想的です。
一般的な家の中だと廊下や玄関、リビング、寝室などにある「収納スペース」がおすすめです。
クローゼットや押し入れ、キャビネットなどでも良いでしょう。
- 廊下や玄関の収納スペース
- 廊下や玄関は日光が入りにくく、風通しが良いため、温度や湿度が比較的一定に保たれやすい傾向があります。
収納スペースがあるなら冷暗所として適しています。
- リビングの収納スペース
- リビングにはエアコンが付いていることが多いため、温度や湿度が比較的一定に保たれやすい傾向があります。
直射日光が当たらない棚などの収納スペースで保管すると良いでしょう。
- 寝室のクローゼットや押し入れの中
- 比較的温度の変化が少なく、直射日光が当たらないため、クローゼットや押し入れは冷暗所として理想的です。
除湿剤などを設置し、湿度が低めになるようにすると良いでしょう。
- 棚やキャビネットの引き出しの中
- 棚やキャビネットの引き出しの中に保管することで、湿気や直射日光の影響を最小限に抑えられます。
温度も一定に保たれやすいのでおすすめです。
トラザロンの臨床成績(有効性および安全性に関する試験)
トラザロンは、先発医薬品である「デジレル」のジェネリック医薬品であるため、デジレルの臨床成績を参考にしています。
- 有効性および安全性に関する試験
国内第Ⅲ相二重盲検比較試験・一般臨床試験
トラゾドン塩酸塩の有効性と安全性は、精神科および内科・心療内科における各種うつ病・うつ状態の患者を対象とした、国内第Ⅲ相二重盲検比較試験および一般臨床試験で検討されています。
| 対象 |
精神科および内科・心療内科における各種うつ病・うつ状態の患者 |
| 実施施設 |
全国131施設 |
| 症例数 |
1,040例 |
| 有効率 |
52%(538/1,040例) |
| 試験結果 |
比較試験の結果、有用性が認められたとされています。 |
国内で実施された試験では、トラゾドン塩酸塩はうつ病・うつ状態に対して有効性が確認されています。
また、インタビューフォームでは、イミプラミン塩酸塩やアミトリプチリン塩酸塩などとの比較試験において、対照薬と同等の有効性を示したことや、抗コリン性副作用の発現が少ないことが確認されたとされています。