ゲンタマイシン
- 総称名
- ゲンタマイシン(英語表記:Gentamicin)
- 一般名
- ゲンタマイシン硫酸塩(英語表記:Gentamicin Sulfate)
- 化学式
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- C21H43N5O7(ゲンタマイシン)
- ゲンタマイシン硫酸塩C1:C21H43N5O7・xH2SO4 ゲンタマイシン硫酸塩C2:C20H41N5O7・xH2SO4 ゲンタマイシン硫酸塩C1a:C19H39N5O7・xH2SO4(ゲンタマイシン硫酸塩)
- 分子量
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- 477.60 g/mol(ゲンタマイシン)
- ゲンタマイシン硫酸塩C1:477.60 g/mol ゲンタマイシン硫酸塩C2:463.57 g/mol ゲンタマイシン硫酸塩C1a:449.54 g/mol(ゲンタマイシン硫酸塩)
- CAS登録番号
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- 1403-66-3(ゲンタマイシン)
- 1405-41-0(ゲンタマイシン硫酸塩)
ゲンタマイシン(Gentamicin)は、主にアミノグリコシド系抗生物質に分類される医薬品の有効成分です。 主にグラム陰性菌を中心とする広範な細菌に対して強い殺菌作用を示し、敗血症、呼吸器感染症、尿路感染症、腹膜炎、皮膚感染症など、さまざまな細菌感染症の治療に用いられます。
ゲンタマイシンは、ストレプトマイセス属の細菌(Streptomyces griseusなど)によって産生される天然由来の抗生物質です。 構造的にはアミノ糖を有する複雑な環状化合物であり、代表的なアミノグリコシド系薬の一つです。 この系統の抗生物質は、細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合することで、タンパク質合成を阻害します。 具体的には、mRNAの誤読を引き起こし、異常なアミノ酸配列をもつタンパク質を合成させることで細胞機能を障害し、最終的に細菌を死滅させます。 この作用は時間依存的ではなく、濃度依存的に強化されるため、高濃度での一回投与が有効とされています。
ゲンタマイシンは、主に注射剤として使用され、経口投与では吸収されにくいため、全身感染症の治療には静脈内または筋肉内投与が行われます。 また、外用剤(軟膏、点眼、点耳剤など)としても用いられ、皮膚感染症や外耳炎、結膜炎などの局所治療に適応します。 血中濃度は腎機能によって影響を受けるため、腎排泄型の薬物として投与量の調整が必要です。 体内ではほとんど代謝されず、主に尿中に未変化体のまま排泄されます。
ゲンタマイシンは強い抗菌活性を持つ一方で、腎毒性および耳毒性(聴覚障害・前庭障害)が知られています。 これらの副作用は血中濃度の上昇や長期使用により発生リスクが高まるため、治療中は腎機能および薬物濃度のモニタリングが推奨されます。 また、他の腎毒性薬剤(例:バンコマイシン、シクロスポリンなど)との併用には注意が必要です。
ゲンタマイシンは、ペニシリン系やセフェム系抗菌薬との併用により相乗的効果を示すことがあり、重篤な感染症(心内膜炎など)の治療では併用療法が行われる場合もあります。 一方で、β-ラクタム系抗菌薬と混合すると相互不活化を起こすことがあるため、同一経路での同時投与は避けるべきとされています。
ゲンタマイシンを含む製剤は、その強力な抗菌活性により、グラム陰性菌感染症の治療において重要な位置を占めています。 適切な投与設計とモニタリングを行うことで、高い治療効果と安全性を両立させることが可能です。